着せ替え人形
「みーたん……。みーたんは、かわいいよ?」
あなたは、それしか言えないの?
今、あたしの褒めるとこって、そこなの?
あたしの褒められる所って、それだけ?
あまりに、あたしが動かず喋らずで怖いのか、たかしゃんは、あたしを抱っこしてベッドに運んだ。
そして、横に寝かせると、ずっとテレビを見ながら頭を撫でていた。
帰る時間が迫る頃、私は着ていた彼好みの服を脱いで、着てきた服に腕を通した。
「もう帰る時間だもんね、みーたん、今日も来てくれてありがとう。」
たかしゃんはそう言ってあたしにキスをした。
「帰ったらメールしてね?心配だから」
あたしはカバンを手に取って、部屋を出る。
「待って?」
そのときたかしゃんがあたしの腕を握った
「みーたん?本当に大丈夫?もうちょっと、休んでから行ったらどうかな?」
「……時間……帰らなきゃ。」
「でも、みーたん……しんどそうだし……。ね?」
「元気ないと嫌?しんどそうな……あたしは嫌?」
「みーたんは、笑った顔の方が可愛いよ。」