実愛


「え?優也くん?」
「かなこちゃんの家の前にいます♡」
えええええ!?
優也くんは迎えにきてくれてたのだ。
そんなカップルみたいなこと…って
思ったけど昨日から私は優也くんの彼女に
なったのだと改めて思ってすごく
にやけてしまった。
気持ち悪いくらい、うん。
「まっててくださいい!!今行きます!」
そう優也くんに言って一方的に電話を
切ったようになってしまったが
そんなことより早く行かなければという
感じだった。
いつもより15分も早い登校にお兄ちゃんも
びっくりしていた。
「かなこ?もう行くのかい?」
「いかなきゃ優也くんまってるの!!」
私は朝ごはんもたべずに家を飛び出した。

そしたらそこには、
「かーなこちゃん。おはよう!」
すごくすごくかっこいい私の王子様…
あ、いや、優也くんが自転車をもって
まっていてくれた。
「おまたせしました!自転車とってくるね!」
「いらないよ!俺の後ろ乗って?」
え、えええええ!?でた。
学園ドラマお決まりの二人乗り。
女子の憧れともいっていいものだ。
「そ、そんな私重いから大丈夫です。」
「俺の運転じゃ不安?」
「いえ、乗らせていただきます!」
そんな悲しそうな瞳でみられたら乗るしか
ないじゃんか。
優也くんは、私をひょいともちあげて
後ろに乗せてくれた。
そのまま優也くんはゆっくりとペダルを
こぎ学校まで乗せていってくれた。
優也くんはすごく優しかった。
私を考えてくれたのか、段差があるところを
さけたり坂はゆっくりブレーキをかけ
ながら下りていってくれたり、すごく
ゆっくりいってくれた。
見た目はチャラいのにほんとこういう
優しさもってるんだから。
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