ヤマアラシと白ウサギ
朝もやが白く煙った寒い朝、目を覚ますと君はいなくなっていた。

僕は、空虚になった君の場所で、そっと体を丸めた。

寄り添っていたわけじゃないのに、何でこんなに寒いんだろう。

元々僕の巣だというのに、何でこんなに広いんだ?

僕はさらに体を縮めた。

長くそばにいたせいだ。

きっと、ウサギの寂しい病が移ったんだ。

そうに違いない。
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