ヤマアラシと白ウサギ
・・・温かい。

僕は生まれて初めて、自分以外の命のぬくもりを感じた。

想像していた以上に白ウサギは柔らかで、フワフワだった。

巣の外から忍び寄る寒さや、目に見えぬものから守るよう、僕はピタリと寄り添った。

そうして、世界を覆いつくしていた雪の下から、新しい命が芽吹き始めたある朝に。

< 28 / 33 >

この作品をシェア

pagetop