ヤマアラシと白ウサギ
「安心しなよ、ここまでは来ないから。」

不安げな子ウサギに、柔らかな若草を提供する。

さて、どうしたものか。

勢い余って自分の巣穴まで連れてきたものの、今更ながらに困惑してしまった。

僕はまだ若く、子育てなんかしたことがない。

それに天敵の多い子ウサギなんかそばにいたら、余計に僕の生活が危険にさらされるんじゃ?

子ウサギはフンフンと匂いを嗅ぐと、若草をかじり始めた。




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