学園王子様は、俺様です。
◇出会い
ありえないです
「お母さーん、行ってきまぁす」
朝、いつものように学校へ行く準備をし、玄関で叫ぶ。
「はいよ~」
リビングからお母さんの声が聞こえて、あたしは「よし」と言って玄関を出た。
…あたし、飯倉 朱里は15歳。
去年……お母さんと、お父さんが離婚して……あたしはお母さんの故郷に引っ越すことになって。
ちょうど、中3だったから……お母さんは、あたしが高校生になる今年、引っ越しを決意した。
都会から田舎に引っ越して……何もかもが今までとは違う。
お父さんも、いない……。
中学のとき、仲の良かった子とも離れちゃったし……。
今年は厄年かも。