学園王子様は、俺様です。


あたしは、北村くんが最初に買った中からあんぱんをくれたと思っていたんだ。



だけど…北村くんは、あたしが北村くんに言う前から…



買ってくれたんだ…。




「北村くん……」



あたしは、寝転がってる北村くんを呼んだ。



「んー…なに…?」



いつも見上げていた立場だから、見上げられることに慣れてないからか、北村くんがなんか可愛いからか…




また胸がドキドキしてる。



「…あんぱん、買ってきてくれたんでしょ…?」



あたしがそう言うと、北村くんはガバッと起きて、




「…はっ!?
なんで…」



かなり動揺しているみたい。




「これ…落ちちゃったみたいで、拾おうと思ってね?
そしたら…レシートが2枚あって…」



「…内容見たんだ?」




「…うん」



ドキドキ…。



あたしの鼓動ははやくなる…。



「…ココ来る途中にさ、お前がカバンに手入れてんの見たんだよ。
そん時は何やってんだ、ぐらいにしか思わなかったけど…」



「…うん」



「…なかなかお前屋上来ないし。
そんで気づいた。
…だから買ってきたってわけ」



北村くんは、自分の頭をクシャッとして…



「…もう教室帰んぞ」



と言って、先に屋上を出て行った。




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