学園王子様は、俺様です。
「…飯倉さん、行こうか」
イライラを抑えて笑顔で飯倉を見る。
「…へ?
どこか行くの??」
…バカが。
話聞かねーからだよ。
俺は2人きりになれるチャンスだと思い、飯倉の腕を無言で持ち上げる。
「き、北村くんっ
どこ行くの!?」
俺は飯倉を引っ張ったまま、別の教室に連れて行く。
…ココで作業するか。
2人きりの教室は、妙に静かに感じる。
「ちゃんと委員長の話聞かねーからわかんねーんだろ」
俺はイライラしてるからか、少しキツく言ってしまった。
「あ…ごめんなさい…」
飯倉は、下を向いている。
…ちょっとキツく言い過ぎたかも。
「…応援歌の歌詞カードをまとめるらしいから」
さっきより、トーンを落として言う。
別に、飯倉にイライラしてるんじゃない。
…成田、なんだけど…
よくよく考えたら…なんでイラついてんの?
…わかんねーな…。
なぜか自問自答する。
…しばらく、お互いに黙々と作業をやり続け…
「…ふぅ。
終わったぁ…っ」
飯倉の声が聞こえた。