学園王子様は、俺様です。
気がつけば…
あたしは、成田くんの腕の中にいた。
「…どうして泣いてるの?」
そうだった…っ
あたし、泣いてるの見られちゃった…。
「な、なんでもないよ…」
噛みながら言ったら、怪しいじゃんか…っ
あたしのバカー…
そう思ってると…
「…アイツなんてやめれば?」
成田くんの低い声が聞こえた。
えっ…
アイツなんてやめれば?って…
「どうゆう意味…?」
もしかして成田くん、あたしが北村くんのことを好きだってわかってる…!?
で、でも…昨日自分で気づいたばかりだし…
そんなの他の人には分かるわけないよね??
「アイツ好きなの、やめなよ」
……
…や、やっぱりわかってるんだ!?
「えっと…どうして知ってるの…?」
すると、成田くんはあたしを離して、
「え?
気づいてなかったの?
…俺、飯倉さんが好きなんだよ?
好きな人の好きな人知ってるの、普通じゃない?」
サラリとそう言った。
…へ? 今、告白された…?
えっ…!?
突然のことに頭はパニック。
「クスッ
気づいてなかったんだ?
まぁいいや。
飯倉さん、俺と付き合って」
成田くんは、いつもみはいにふざけてない。
真剣な瞳があたしをしっかり捉えている。