学園王子様は、俺様です。
もう、北村くんの手はあたしの顔には触れてないんだけど…
すごくドキドキしてる…。
というか、今は北村くんの言葉を聞かないと…!
「成田のこと、好き?」
「…へっ?」
まさかそんなことを聞かれるなんて、思わなくて…、
間抜けな声が出てしまった。
「…それ、
好きってことかよ?」
北村くんが、真剣な顔であたしを見る。
ちょ、ちょっと待って…。
あたしは、成田くんが好きだけど…
それは友達としてであって…。
今は友達として聞いてるわけじゃない、よね…?
「えっと…
成田くんは、友達として好きだけど…れ、恋愛感情はないよ」
あたしは、本当のことをそのまま言った。
「…マジかよ…」
あたしがそう言うと、北村くんは頭を抱えだした。
「ど、どうしたの?」
遠慮がちに聞いてみる。
「…や、俺の勘違いだった。
気にすんな」
…?
そう言われると気にしちゃうんですけど…。
何が勘違いだったんだろう??