学園王子様は、俺様です。
「え…?
何を…?」
「成田くんは、ああ見えてホント女の子から人気あるから…
その、成田くんの好きな人が朱里なんだよ?
成田くんて朱里にすごいアピールしてるし…」
「うん…」
「成田くんのファンたちから、何かされないか心配なの」
成田くんのファンたち…?
「…何もされるようなこと、してないよ…?」
「もぅ、天然すぎるー!
だーからね?
ただ成田くんに想われてるだけで、何かされる可能性は高くなるの」
天然、に少し引っかかるけど、それは流して…
「…何かされるのかな…?」
あたしは、少し不安になる。
「ま、大丈夫でしょ♪
王子様が助けてくれる♪」
舞ちゃんは、「王子様」と言うときに、ちらっと北村くんを見た。
「舞ちゃん…いじわる…」
てへっ♪ と言った舞ちゃんは、可愛いから許すことにした。
「あと4日かぁ…」
気づけば体育祭まであと4日で。
そういえば、実行委員として忙しくなってきたかも…
「ふふ♪
最高の体育祭になるといいね♪」
…舞ちゃんの笑みは、何かを分かっての笑みに、あたしは見えた__……。