学園王子様は、俺様です。
◇甘い日常
北村くんのお家で…?
「朱里〜、最近何かあった?」
体育祭からちょうど一ヶ月経った日の朝、あたしは舞ちゃんとおしゃべりしていた。
「えーっと…特に何も…」
体育祭のあとは、北村くんが「笹木と帰りたいだろ? 今日は特別だからな」って
言ってくれて。
舞ちゃんと帰りながら、「北村くんと付き合うことになったよ」と伝えたら…
「おめでとーーっ♪♪」って自分のことのように喜んでくれたんだ。
「な、何もないの⁉︎ 朱里の王子様、取られちゃうよ⁉︎」
『朱里の王子様』って…特別みたいでなんか嬉しい。
「顔がニヤけてますよ〜」
「…へっ⁉︎」
ニヤけてたんだ…!
それはすごく恥ずかしい…。
「もぅっ…
ま、北村君に大事にされてるんだね〜♪」
舞ちゃんはニヤニヤして、いつもこうやってあたしをからかう。