学園王子様は、俺様です。


「海行くんだろ?」



「う、うん」




北村くんが歩き出したから、あたしも北村くんについていく。



北村くんの一歩後ろを歩いていると…




「なに一歩下がってんの?
前から言ってっけど、お前は俺の隣りだから」



そう言って、あたしの手をとり一歩下がってきた。




…歩幅、合わせてくれてるんだ。




北村くんの高い身長から、脚は長いはずなのに…



あたしに歩幅を合わせてくれてることが、嬉しく思った。




それより…

「あの…北村くん、手…」




いつまで繋いでるんだろう…。




あたしはいいけど…北村くんはどう思ってる…?




「お前が鈍臭いから、繋いでんの」




…そうだよね。





あたしがドジじゃなかったら…手なんて繋いでくれないかぁ…




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