学園王子様は、俺様です。


「何、ひとの彼女に馴れ馴れしくしてんだよ」




後ろから低い声が聞こえてきた。




この声は…北村くんだ。




「別に? 普通に話してただけじゃん」




成田くんが、北村くんを睨みつける。




北村くんも、成田くんを睨みつける。





え…、どうしよう…。



「北村くん、あたし…ただ話してただけだよ…?」




「あっそ。 …先行くわ」




そして北村くんはあたしを無視していってしまった…。




「成田くん、ごめん! あたし、行くね!」




「…飯倉さんっ」




成田くんがあたしの名前を呼んだけど、振り向かない。




北村くん、誤解してるよね…。




あたしが悪いんだ…




あんなに成田くんの相手するな、って言われてたのに…。








あたしは、走るけど…もう北村くんは教室に入ってしまった。





誤解…解けなかったな…



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