学園王子様は、俺様です。
はぁ…。
北村くん、誤解だって…わかってくれるかな…。
不安になりながら、屋上に着くと。
北村くんが、フェンスに寄りかかっていた。
「北村くん…っあのね…!」
あたしは北村くんのところに足を運ぶ。
誤解…解かなきゃ…!
「あたしね! 成田くんとは何もないの。
朝はたまたま会って、成田くんに北村くんとのこと、うまくいってるよって言っただけ…っ」
北村くんの目を見て言う。
すると、段々視界がぼやぼやして…
涙が溜まっていた…。
…泣いちゃだめっ…
ってわかってても、緩んでいく涙腺。
北村くん…何も言わない…
信じてもらえないのかな…。
そう思って下を向こうとしたら…
__ぎゅっ
あたしの身体は…温かいぬくもりと、優しい匂いに包まれていた。