学園王子様は、俺様です。



「…はぁ。あのね、朱里。
彼女目の前にして堂々と宣言してアピる人はいないんだよ。」



「?そうかなぁ…」



あの時は、悲しそうな顔して…だからあたしが…




ん? あたし…何言った…?




「…舞ちゃん…どうしよう…」




「何…そんな消えそうな声だして…」




あたし…思い出しちゃった…。



「那月ちゃん…北村くんの初恋が自分だってわかってなかったんだけど…

あたしがその時同情して…北村くんの初恋は那月ちゃんだよ、って…言った…」




「…はあ!? 朱里、なんで言っちゃうのよ!?
それで絶対『望みある』って思ったよ!?」



サァーーッと血の気が引いていく。




あたし…なんであんな…応援するとまではいかなくても…結局そういうこと言ったんだろう…。





「…どうしよう…北村くん、ちゃんとした別れしてないって言ってたから…

まだ那月ちゃんに気持ちがあるかもしれない…」




あたしはファミレスだということも忘れ、泣いてしまった。
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