学園王子様は、俺様です。
「朱里、大丈夫。
北村くんは朱里しか見てないよ。」
確信したように強く言った舞ちゃん。
「…でも…最近いつも一緒にいるし…」
『不安』
今のあたしにはその言葉しかない。
北村くんとのスイーツデートの時は、抱きしめてくれたから安心できた…
でも今、北村くんはあたしを抱きしめてはくれない。
抱きしめてくれる、近いところにいない。
「朱里…」
「…ぇっく…っ」
あたしが泣いてる間…
舞ちゃんはあたしの頭をずっと撫でてくれていた。