学園王子様は、俺様です。



…北村くんが那月ちゃんをお姫様抱っこして…車に乗せたんだ。




そのまま見えなくなる北村くんの車。




運転はもちろん亀山さんだろう。




もし、迎えに来ていたなら…





那月ちゃんじゃなく…あたしが車に乗るはずだったんだーー。




「……はは」




あたし…バカだなぁ…


北村くん、那月ちゃんが好きなんじゃん





あたしを置いて、那月ちゃんと……。




「デート、は…っ?」



今日、してくれるって言ったよね…?




ねぇ、北村くん…。




那月ちゃんと北村くんが両想いって知った今…





あたしはもう…いらないね…。




「…ふっぇ、っく…ぁっ」




あたしはガヤガヤしてる校門を後にして…堪えられなくなった涙を流しながら…



一人惨めに帰った…。
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