学園王子様は、俺様です。
保健室につくと、保健の先生は今日居ないらしく、誰もいなかった。
「…よし、これ目に当てな」
氷が入ってるだろうタオルをあたしの目に当てた。
…ヒンヤリして気持ちいい。
「…舞ちゃん…ごめん…」
「大事な親友がこんな状態なのに、授業なんて受けられないよ」
『大事な親友』その言葉であたしは暖かくなる。
「北村君と、話した?」
「…ううん。 話してないよ。
というより、話したくない…。
信じるって約束したけど…信じられてないから…」
話すのが怖い…
別れようって言われたくない…
やっぱり那月が好きなんだ、なんて聞きたくない…
「…それはダメだよ、朱里。
もしかしたら、何か事情があるかもしれない。
今日の昼休み…話してきな?」
うん…話さないといけないのはわかってるよ…
でも…怖いんだもん。
別れようって言われるのが…。
「頑張れ。 聞かないとわからないこともある…」
「あたし、昼休みは屋上行かないよ」
舞ちゃんの言葉を遮って答える。