学園王子様は、俺様です。
「何言われようが朱里に触ったことは許せねぇの。
お前、2度と朱里に近づくなよ」
横になった成田くんを睨みながら北村くんは言った。
いつもの北村くんじゃない…
ものすごく、ものすごく怒ってる。
雰囲気も、顔も…全てが怒ってる。
あたしは怖くて、どうしたらいいかわからなくて…ただ立っていた。
すると…成田くんがヨロヨロと立ち上がって…
「…ハハッ
なんだよ。 お前、飯倉さんちゃんと好きなんじゃん。
泣かせんなよ。
飯倉さん、またね」
そう言って北村くんの肩をポン、と叩くと、どこかに行ってしまった。
…北村くんと…2人…
こんなに気まずいものは、あるだろうか…