学園王子様は、俺様です。


「お前、笹木と弁当食うんじゃなかったのかよ。
なんで1人で弁当食って、成田んとこにいんだよ…っ」



1人で食べてたの…バレてたんだ…




どうしよう…どうしよう。




北村くんは、あたしに対して怒ってる。



あたしを睨んで、北村くんは言った。



「成田が好きならハッキリ言えよ!
最近目ぇ合っても逸らすし、
メールしても返信来ねぇし、
泣いてんの俺のせいとか言われるし、

意味わかんねぇよっ」




その言葉を聞いて…あたしは我慢の糸が切れた。




「北村くんのバカァっ
あたし…北村くんを信じようと思ったよ!? なのに那月ちゃんと最近いるし…

那月ちゃんが好きなんだなって思うじゃん!
成田くんとは何もない!
好きでもないっ…


あたしが好きなのは、北村くんだよっ…

昨日はデート、楽しみだった…っ

久しぶりだなぁ…ってわくわくしてた…っ

なのに…っ…」



もう、何を言ってるのかわからない。



ただ、あたしの気持ちを伝えたくて。



大泣きしながら言った。




「あか…」

「もういいよ! 別れようよっ
あたし…っ辛いの、淋しいのっ
こんな重いあたし、やだっ…

那月ちゃんと両想いになれて良かったねっ…

ばいばいっ…!」




「…朱里っ!!」




北村くんが何か言ってるけど、聞かない



振り向いちゃダメ…っ




あたしは振り返らずに、生徒玄関まで走った…。
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