学園王子様は、俺様です。
だけど…
その日の放課後、事件は起きた。
朱里と校門を抜けようとしたとき…人だかりができていて。
「…なんだろうね?」
「さぁ?」
全く興味がなかったから、朱里にそう言った瞬間。
「女の子が倒れてるー」
「すごい美人〜」
そんな声が聞こえてきて…。
『女』『倒れてる』
まさか那月じゃないよな…なんて思って人だかりに視線を移した。
「…那月?」
すると、黒髪のオンナが確かに倒れていた。
それが那月だと確信した俺は頭が真っ白になって。
…その場に朱里をおいて…
俺は那月の元へと走っていた。
そして、亀山が来てたから、那月を抱き上げ車に乗せた。
本当にこの時の俺は…どうかしてて。
那月を助けなきゃいけない、という思いでいっぱいだった…。