学園王子様は、俺様です。


メールがきていて、朱里からだとわかると…なぜか緊張した。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

今日のお昼は舞ちゃんと食べるね


お弁当を作り忘れちゃったから、パンを食べてね



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絵文字がないメール。



朱里のメールはいつも一つは絵文字がついていた。



「…ハハ。 俺、嫌われたんかな」



前までの俺なら『ヒマつぶし相手だろ?』とか言って命令してた。



だけど…今はそんなからかったりする状況じゃない。



俺は軽くショックを受けながら授業を受けた。




…そして昼。


俺はパンを買って来ようとするけど…




目が自然に朱里を追う。



教室の後ろの方でスマホをいじる朱里。



それを見て、確実に俺からのメールには気づいてると思った。


笹木を待ってんのかな…。



なんて思っていたら…


バッチリ目が合った。



今度は逸らされなかった。
俺をじっと見ている。



そのとき。



「北村くぅ〜ん♪
ご飯食べよう♪」



俺にオンナたちが集まってくる。



…ウザイんだけど。



オンナたちに囲まれた俺を見るなり、朱里は俺から目を逸らした。



ーーズキ



俺がオンナたちに囲まれても…なんもねぇんだ…


嫉妬してほしい、と思った自分がいた。



「…うん、いいよ」



そう返事する。



俺はサッサと食って朱里と話すことに決めた。

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