学園王子様は、俺様です。


…朱里…
ずっと触れたかった。



「…朱里、聞いて」




「うん…」



今のキスが恥ずかしかったのか、朱里は下を向く。



「俺も朱里が好きだ。
ずっと一緒にいてぇし、ずっとキスしてたい。

朱里は俺にとって…大事な女だし、
…俺には朱里が必要なんだよ」



こんなクサい台詞、言うわけないと思ってた。


だけど…朱里だから、朱里だけに


俺は言う。



「…ふぇっ…北村くっん…」



朱里はブワッと涙を流し、俺に抱きつく。



俺も朱里を抱きしめる。



「那月とは、もう合わねぇから」



1番安心する言葉を、朱里に言った。



「北村くん…っいいの? だって、幼なじみみたいな大事な…」


「いい。 那月もわかったって言ってくれたんだから。

こうしないと、また朱里を不安にさせる」


俺がそう言うと、朱里は「ありがとう…」と言ってまた泣いた。




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