学園王子様は、俺様です。
◇ずっと一緒に
2年後
今、あたし飯倉朱里は高校3年生。
この高校3年間は、あたしにとって忘れることのない思い出。
あたしは校門に咲き乱れる桜を眺めていた。
「朱里〜うわーんっ…っ」
あ、舞ちゃん。
舞ちゃんとは3年間同じクラスだった。
今では、本当にかけがえのないあたしの親友。
「もぅー泣かないのーっ」
「うぅ…だってさ? もう卒業だよ…」
…そう。
あたし達は、今日卒業する。
「1年生…色々あったね、朱里は」
「うん…そうだね」
あの時…あたしは北村くんと色々あった。
今は…
「あ、朱里の王子様来たよ!
今日で卒業なんだから、しっかり話なよ?」
「へ? あ、舞ちゃんっ!」
舞ちゃんは、そう言うと去ってしまった。
もぅ!
「朱里」
呼ばれた方を振り向くと…あたしの大好きな人が立っている。