学園王子様は、俺様です。
「照れんだろうが。
…つか、式始まる前に言わねぇと」
照れたんだぁ。
可愛い♪ …じゃなくて。
「うん…なに??」
卒業式の前に言うことってなんだろう?
「俺さ、親父の後継いで…頑張るからさ…
俺と婚約、してください」
こんやく…?
婚約!?
夢じゃないなら…
こんなに…嬉しいことはない。
だけど…
「あたしでいいの…?」
たった一つの不安をぶつける。
すると…北村くんは、優しくフッと笑って…
「俺が好きになんのは朱里しかいねぇから、朱里がいい」
あたしが嬉しい言葉を言ってくれた。
「うん…っ 婚約、する…っ」
あたしは北村くんに抱きつく。
「結婚は、俺が完璧に親父を継いだらしような?
とりあえずは、俺の婚約者だから」
「うん…っありがとう…っ」
北村くんの『婚約者』なんて…
あたし、幸せすぎるよ。