学園王子様は、俺様です。


***************


ーー卒業式終了後



「朱里っ、幸せになるんだよ!」



生徒玄関で、舞ちゃんがあたしに抱きつく。



「うんっ…実はね…」



あたしがさっき、北村くんの婚約者になったことを言うと…



「すごいすごい!
まあ、絶対そうなるってわかってたけど」



って言って、祝福してくれた。




「舞ちゃんもね!」



「もちろん♪ 誰よりも幸せになる!」



「あははっ」



舞ちゃんは、高2の時から一個上の先輩と付き合っている。





その人も、この『城ケ崎学園』の人だったから、お金持ち。



舞ちゃんももう婚約してるみたい。






「わたし…朱里と出会えて良かった!」



満面の笑みでそう言う舞ちゃん。



「あたしもだよ! 舞ちゃんに出会えて良かった…
これからも、よろしくね!!」



「ふふっ もちろんだよ♪」



4月からあたしと舞ちゃんは社会人。



未来の旦那様が稼ぐから、将来は主婦になる予定。




「お♪ 北村君、朱里をよろしくね〜」



そう言って、舞ちゃんは走って行ってしまった。


あれーっ
なんか…アッサリしてない?



朝泣いてた舞ちゃん、どこ行ったー?



「…お前、俺いんのわかってる?」



1人で変な動きをしてたからか、北村くんがあたしを怪訝そうに見ている。

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