学園王子様は、俺様です。
「こちらのお部屋でございます」
亀山さんに案内されて、中に入ると…
「「卒業おめでとう〜!」」
という声と共に、クラッカーの音が響く。
「や〜君が朱里ちゃんかね?」
北村くんのお父さんと思われる人が、驚いて立ち尽くすあたしの前に来た。
「は、はい…」
き…緊張する…っ
あたしは、北村くんのお父さんを直視出来なくて下を向いてしまった。
「ははは、緊張しなくて大丈夫だよ。
涼太が見せてくれた写真よりも、生はもっと可愛いねぇ」
なんだかすごく親しみやすそう…。
「親父、軽くナンパしてんなよ?」
その北村くんの声と共に、あたしは北村くんに引き寄せられた。