学園王子様は、俺様です。
「…ではまず、涼太」
北村くんのお父さんが口を開く。
「…はい」
場をわきまえているのか、北村くんはさっきとは違い、敬語を使う。
「お前は次期、北村グループの後を継いでいかねばならない。
…それはわかるな?」
「はい」
何を言うんだろう、北村くんのお父さん…
「今、お前は必死に後とりの勉強をしているそうだな?
だからだな、俺は…
正式に、お前に北村グループを受け継ごうと考えてるんだ」
「親父…」
へ……
ということは…北村くんが…あの北村グループのトップ、社長になるってこと!?
す、すごい…っ!
「もう覚悟はできてるようだしな、よろしく頼んだぞ」
北村くんのお父さんはそう言って微笑んだ。
「そして…朱里ちゃん」
北村くんのお父さんの瞳があたしに移る。
「はい…」
何を言われるのかな…。
あたしもしっかり北村くんのお父さんを見た。