学園王子様は、俺様です。
嬉しくて、何を言えばいいかわからない。
そしたら…
「もう! あなた達だけで喋っててつまらないわよ〜!
朱里ちゃん、私と話してくれるかしら?」
北村くんのお母さんが素敵な笑顔であたしを見てそう言った。
北村くんのお母さんと…話す…。
緊張してしまうけど…あたしも話したい。
「…はい! お話したいです!」
あたしが元気いっぱいそう言ったら…
「ふふっ もぅ、本当に飯倉さんの娘さんは可愛いわね」
なんてお世辞をお母さんに言って…
「そうでしょう?
私も涼太くんとおしゃべりしたいわ〜♪」
なんてお母さんは言って、北村くんと話し始めた。
北村くん…ちゃんと敬語で話してる。
あの俺様な北村くんが…!
なんだか笑えてきた。
「朱里ちゃんは涼太が大好きなのね」
北村くんのお母さんが、優しくそう言った。