学園王子様は、俺様です。
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…あの後教室に戻ったら、まだ迎先生は来てなく…
怒られずに済んだ。
あ、教室に入る時間はバラバラにはいったから、特に怪しまれなかった。
舞ちゃんにはすごく心配されたけどね…。
…そして、今は一時間目の真っ最中。
いよいよ、あたしが手を挙げるトキが近づいた。
「はい、ではまず体育祭実行委員を決めたいと思います。
じゃあ、女子! 立候補してください」
て、て、手挙げなきゃ…!
「…はい、女子は飯倉さんしかいないので、決まりです」
き…
決まっちゃったよ…。
これでよかったのかと不安になる。
「朱里、やりたかったんだねー!
頑張れ、応援するよ♪」
隣の舞ちゃんにそう言ってもらえるのは嬉しいけどね?
本当は、やりたくないんだよ…。
その気持ちを抑え、「ありがとう」と言った。
…実行委員てひとりだよね?
はぁ…。
どうして北村くんはあたしを実行委員にしたかったんだろう…⁇