学園王子様は、俺様です。



「北村君て、本当王子様みたいね…」



休憩時間に、舞ちゃんがそう言っても、あたしはうなづけなかった。




…だって、北村くんの本当の姿は…



王子様、ではないから。




「朱里…?
今日、ちょっと変だよ…??」



舞ちゃんが心配した顔をして、あたしを見ている。





…舞ちゃんに話せばスッキリするのかな。



「…えっとね、実は」




「…ちょっと飯倉さん借りるね」





聞こえたその声に、とても驚く。



北村くんの、声だったから。




「……!」



あたしは、そのまま引っ張られ……




…この間の、空き教室に連れて来られた。




教室を出る時に、舞ちゃんを見たら、口をパクパクさせていた。



どうしよう…!?



後で、なんて説明すればいいのかな…!?






「…お前、バカだろ」



北村くんから、冷たい口調で言われる。








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