学園王子様は、俺様です。
あたしは北村くんのヒマつぶし相手、だなんて言えない…。
どうすればいいの……っ
…目頭がカッと熱くなり、涙が浮かんできた瞬間。
「…入口で、何してるの?」
「…
き、北村様…ッッ!!!」
女の子たちの、焦った声が聞こえた。
北村くん…
顔を上げると、そこには北村くんが立っていた。
「もう一回聞くよ?
何してるの?」
その声は、いつもより低く感じる。
「…っえ、と…
飯倉さんと北村様が親しげだったので……」
「それで、飯倉さんを責めてたの?」
…女の子は、黙ってコクっと頷いた。
「そういうの、よくないね。
俺と飯倉さんは、実は昔から仲が良い関係なんだ。
彼女と俺が一緒に居たからって、もう二度とこうゆうマネはしないでくれるかな??」
へ…っ
昔、から仲が良い関係…?
それは、紛れもない嘘じゃ…?
それを聞いた女の子は、小さく「わかりました…」とつぶやくと、他の女の子たちと廊下に出て行った。