学園王子様は、俺様です。
「…っき、北村くんっ!」
あたしは、急いで屋上まで走って行ったけど…
「…遅すぎ。
何やってたんだよ」
不機嫌な顔をした北村くんが、すでに仁王立ちして待っていた。
「ごめんなさいっ!
人とぶつかって、話してて…」
「普通、ぶつかった奴と話すわけ?」
た、確かに…
一般的には、話さないで謝るくらいかも…。
「…まぁいい。
腹減ったから、食うぞ」
北村くんは、屋上のコンクリートひドカッと座ると、菓子パンを食べ始めた。
か、菓子パン…?
「…何」
「や…
もっとリッチなものを食べると思ったから…です」
北村くんの家は、そうとうなお金持ちなんだと舞ちゃんから聞いていたから、
お昼も豪華なものかと思ったんだ。
「…は?
菓子パンくらい、食うし」
北村くんが、冷めた顔をして言う。
「そ、そうだよね」
誰だって食べるもんね…。
少し、今の冷たい言い方にズキンと胸が痛んだ。
あ、そういえば…
「あの…
なんで、今日呼び出したの…?」
「あ、そうだった。
お前、もうちょっと頭働け」
「……へ?」
頭働け…?
いきなりそう言われても、ついていかないあたしの脳みそ。