好きな人。
手には昨日買った、星型の箱に入ったブラウニー。
心臓のドキドキが、もうすぐ地面を、たぶん揺らす。
全身が心臓になった。それも呼吸困難の。
「……、槇、…原?」
「冗談じゃないよ。ずっと、4月あたりから、好きだったんだよ。バカでアホで、ほんの少し優しくて、一緒に居ると、ほっとするんだよ?ドキドキして、だけど、ありのままのあたしでいられるの。………すっごい…好きなんだよ………。」
観星の背中にへばりつくようにして、顔を隠す。
観星の体温が、ドキドキして、そんでもって心地いい。
「昨日の話…、ずっと、ずっと…観星の事しか言ってないよ…。観星の事しか、観星の事しか…。…気付いてよ……ばか」
「…槇原……」
観星は前を向いたまま。
あたしは観星の背中にへばりつくようにしてる。
「…………槇原、俺………」