好きな人。
「観星君、…ごめんね?部活中なのに、呼び出して…」
「いや別に、平気だけど…、桜野、何の用?」
観星の前にいる女の子は、サクラノという様だ。
誰だろう?
うちのクラスにはいない…。
そういえば、可愛いって有名なサクラちゃんっていう子が、隣の隣のクラスに居た気がする。
隣の隣のクラスは、あんまり関わってないから詳しく知らないけど。
もしかしてサクラちゃんのサクラは名前じゃなく、桜野だからサクラちゃんなのだろうか?
皆がサクラ、サクラって呼んでいたけれど…。
「…観星君、あのね。私、…ずっと前なんだけど…、転んだときに、ハンカチ拾ってくれたあの日からずっと…、言いたくて…」
桜野さんのうつむいた顔は、真っ赤だった。
「観星君の事が好きです!」
「………ごめん、俺好きな人居るから」