好きな人。
その瞬間、あたしの中の何かが動いた。
ドキッっとした―――、少し違う。
ピキッと空気が凍りついた―――、違う。確かに寒いけど。
とにかくその瞬間から、一瞬前の世界とは違う世界にあたしは居たような感覚になった。
――――――――観星に、好きな人。
今まで誰かに言ったことは一度もなかった。
今までそんなオーラを出したことも一度もなかった。
だけど確かにその感情はあたしの中にあったし、自覚もしていた。
あたしは、観星の事が好きだ。