一途過ぎたら大変!?
序章~幼き夢~
~Side 舞~
そこは暖かな日差しの中、白詰草が一面に咲いている。
幼い私は誰かと一緒に居る。
・・・・・・その子も幼い男の子だ。
私はその男の子と対面して座っている。
男の子は私に白詰草のネックレスを作ってくれたらしく、それを差し出しながら
「ね~まいちゃん。ぼく、まいちゃんがだいすき。
ず~っとぼくのそばにいて?そしてぼくのおよめさんになって?」
顔は良く見えないけど、声のトーンからものすごく笑顔で言われているような気がする。
そんな男の子のプロポーズに対し私は・・・・・・
「ごめんね?わたしのだんなさまは、おうじさまなの♪
すごくやさしくて、つよくて、あたまがよくて、そしてなんていったてかっこいいの♪
だからごめんね?」
無邪気に笑顔全開に白詰草のネックレスを受け取りながら答える。
無残にも間髪入れずそう言われた男の子は何か言おうと口を開けた・・・・・・。
そこでいつも目が覚める。
ど~~も、私の子供時代の夢らしいんだけど、全く覚えていないんだよね~。
だけど、頻繁に良く見る夢だ。
・・・・・・しかし、なんちゅ~嫌な子供だったんだ私は・・・・・・。
今のこの世の中、王子様が旦那様だぁ~?
ありえない・・・・・・
しかも、優しくて、強くて、え~っと・・・賢くて?イケメン?
居る訳ないでしょ?
その為にいたいけな幼い男の子をこっぴどく振るなんて・・・・・・
白詰草のネックレスはちゃっかり受け取ってたし・・・・・・
悪かったなぁ~
今、その男の子が私の姿を見たら絶対にプロポーズなんてしないと思う。
見事に顔は十人並みに育ってしまったし、身長なんて150センチないし・・・・・・
胸だって・・・・・・・うっ・・・・・・落ち込んできたからこの辺で考えるのやめておこう。
今日も学校だ、そろそろ用意をして学校に行こう。
落ち込み気味の自分を気分転換させようと、
顔を洗いに洗面所へ向かうためベットから降りた。