一途過ぎたら大変!?

~side 誠也~


やっと・・・・・・やっとだ・・・・・・・

幼い時、俺は恋をした。

今でも鮮明に覚えている。

無邪気に愛らしさ過ぎる笑顔の舞さん。

ずっと一緒に居たかったのに、父親の転勤という事実が俺の恋を引き裂いた。

だけど、やっと逢えるんだ。

この愛欄高校に舞さんが居ると言う情報を得てから、必死に両親に一人暮らしを申し立て戻ってきたんだ。


舞さん・・・・・・あの頃も愛らしかったのに、今はどうなんだろう?

今から担任が舞さんの所へ連れて行ってくれるらしいが

(注:担任はただ単に誠也のクラスに案内するため)

待ち遠しくて仕方が無いよ。

舞さんは俺のことを覚えてくれているだろうか?


教室の中から担任がまだ教室の外にいる俺のことを呼んだ。

俺は高鳴る胸を押さえつつ教室に足を踏み入れた。


一通り教室を見回した。

周りは何か言っているようだが、俺の耳にはそんなの入ってこない。



ーーー舞さん、見つけた!



一番後ろの席、相変わらずふわふわの触りたくなるような髪、

愛らしい顔・・・・・・いや、数倍、数万倍愛らしさに磨きがかかっている。

だけど、あの頃の面影がちゃんと残っている。

俺の恋焦がれた舞さんだ!!



早く舞さんの元に行きたいが、担任が挨拶しろと言っているので、


「大澤 誠也です。よろしく」


とだけ言って、舞さんの元へと急いだ。

舞さんの机の前まで行ったのは良いが、頭が真っ白になりとっさに言葉にならなかったが、そのとき彼女の顔が上がり、可愛らしい瞳が俺を捉えた。思わず・・・・・・


「やっと会えた。会いたかったですよ舞さん。俺のこと覚えていますか?」


なんて何のひねりも無い、もっと格好を付けて話しかけたかったのに、こんな言葉しか出なかった俺に対し、思いっきり引いた感じで



「いやぁ~・・・・・・どなたでしょう?」




えぇぇぇぇ~~~~~~~~!!!




俺は足元が崩れる感覚に陥りながらも担任に


「俺、ここの席で良いですか?空いているみたいだし」


と、舞さんの隣をキープした。

覚えていないのなら、今の俺を好きになってもらえればいい。

即座にそう判断し頭を切り替えた。

ずっと恋焦がれて会いたかったんだ。

こんな所でくじける俺では無い!!


行け行け!GOGO!俺GO~~~~~!!


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