失恋ちょこれえと
別れ




あーあ、こんな雪がつもってる1月の真冬に呼び出すなんて困った人だなあ。



目の前で困ったように顔を歪ませる彼越しの外を見つめた




「あのさ、その…」


本題に持ち込まない彼に苛々しつつも、答えは分かっていて受け止めたくなくって、知らないフリをして首を傾げた






"話があるから、駅前のカフェに来て"


折角学校が休みの、しかも雪の土曜日に、語尾に絵文字も顔文字すらない1行のメールに布団から早々と出て着替えて外に出たんだ




「彩華(アヤカ)と一緒にいてすっごく楽しかった。俺は彩華に散々助けて貰ったし、ずっと一緒にいたいって本気で思った」


『…』



山本(ヤマモト)彩華、それが私



「でも、俺も就職先決まったし、彩華も決まったよな。俺達は別々の道に行くんだよ」




『…うん』


ああ、いよいよ来てしまったのか








「だから、その、あの、な」




『…うん』





4文字の言葉が出てこなくって彼は困ったように眉を寄せた


ああ、もう。


こうやって肝心な所、いっつも言ってくれないよね



"好き"とかさ、恥ずかしがってあんまり伝えてくれないんだよね



「彩海…あのな」


もういいよ




『いいの、啓祐(ケイスケ)』



私が、伝えてあげる


「え、」


『――私達、別れよう」




さよならの言葉を
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