失恋ちょこれえと
3年生の階、2階
一人でその廊下を歩きながら色々と考えてしまう
彼は階段のとこまでくると、じゃあ、と柔らかい笑顔を向けて3階に行ってしまった
教室に行く前にトイレの個室に入って物事を整理する
え?と聞き返す私に彼は少し困ったように笑って、放課後またここに来てほしいと言って家庭科室を出て行ってしまった
ガスの元栓を切ったのを確認して彼を追いかけて――でも、一緒に家庭科室の外から出たことなんてなくって、10メートルくらい距離をあけて歩いた
少し前を歩く楠くんの表情は受け取れない
やっと授業終了のチャイムが鳴り響いた
教室に戻ろう
溜息を吐いて、3年2組の教室に入った