先輩と後輩の私。
真冬のプレゼント。

草先輩のことを好きだと気づいてからはや4ヶ月弱。
あれから、ジャージだった装いが、憧れだった袴姿になったり
一人で的に向かって射れるようにもなったり
先輩が彼女と別れたって噂が流れたりといろんなことがあったけど、私と草先輩には特に何もなかった。
平穏で、進展のない部活があっていた。

たまには話せていたけど、同時に入学した高校1年生にも草先輩は人気があり、
なかなか話したり、見てもらうことは無かった。


ちなみに今日は12月24日。つまりクリスマスイブだ。
つってもあと15分でクリスマスだけど。
さすがに12月だけあって、寒い。明日は雪も降るそうだ。
空を見上げると、満点の星たちが町の明かりに負けないくらいに眩しく輝いていた。
冬は寒いからきらいと言う人が多いけど、私は、冬が好きだ。
星が、悲しいくらいに綺麗で、冷たい空気がさらに星を引き立てている、そんな夜が好き。

今は塾の帰りで、マフラーに顔の半分を隠しながら、コンビニの前を歩いていた。

(さむっ、今日のご飯なんだろー。おでん食べたいなぁ。でも、鍋も捨てがたい…)

そんな妄想を繰り広げながら、トボトボ歩いていると、不意に足音のようなものが聞こえた。



(えっ、まさか…いやそんなことはない、断じてない。そうだ犬だ。うん、絶対そうだ、うん、そーゆーことにしとこう!!誰かそうだといってくれ!!!)

だんだんと近づいてくる足音。

(ひぃぃっ…!!死ぬ!助けておかあさぁぁん!!)



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