先輩と後輩の私。
その日は一日中わくわくしながら登校した。
学校に行く途中のコンビニにより、友達用に大量のチロルチョコを購入した。
「鈴ー!おっはよー」
「んぉ、深紅。おっはー」
「寒いねぇー、あ、これ、鈴に。結構自信作なんだけどー、家族で食べてね」
「…あの、深紅さん…異様に重くて大きい気がするんですけど…」
「だって、ガトーショコラ、1ホールだもん。鈴ケーキ好きでしょ?」
…!なんだって!
これを教室から弓道場まで持ってかなきゃいけないじゃないか…
2月だから腐りはしないと思うけど、くずれちゃったらどーしよ…
「…ねぇ、深紅、やっぱ放課後まで預かっといて貰いたいんですが……。
ぁれ、深紅…?」
遠くで深紅の声が聞こえた。
嗚呼、もう私のことなんて眼中にねーよ…