先輩と後輩の私。

道場に来るなり、先輩は部活の同僚や後輩から声をかけられていた。
「うわー、先輩すごいチョコの量ですねぇ」

「はは、これ疲れるんだよ、結構。」

「彰人君、今年は去年よりも多いんじゃない?」

「んー、まぁ、去年は彼女居たしね」


そう、先輩は一言で言うと、まさに、山のような数のチョコをもらっていた。


あぁ、もう
あのクッキー用無しだなぁ、はは。
今日も塾だし夜食にでもしよっかな…。


部活も終わり、塾に向かう途中。
塾は駅と割と近くて、よく電車通学の先輩達と帰った。
なのに、今日はよりによって、何でか知らないけど、草先輩と帰ることに。
只今、非常に気まずい雰囲気…。

「…。」

「…っさ、最近特に寒いっすよねー」

「うん。そうだね」

「…。」

「…。」

仕方ない、嫌だけど今日はこの話題しかないし…最後の手段…(?)

「へへへ、先輩、今日何個くらいチョコもらったんすかー?
あ、そーだ先輩、聞いてくださいよ、私の友達がですね、ケーキ1ホールもってきたんすよー、尋常じゃないですよね、ほんと笑え「さくら」

「…先輩?」
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