先輩と後輩の私。
好き…?
それからというもの、私は毎日弓道場に行くようになった。

あれから草村先輩とは何もなく、
また話しかけてくれないかと期待ばかりしている私がいた。


小さいころから年上の人には可愛がられていた私は結構たくさんの先輩や友達が出来た。
まぁ、話しかけてくれたのは全部あっちだけど。

見た目もカッコイイ草村先輩が部活見学の中学生たちの間で噂にならないわけはなく、
草村先輩派、なんとか先輩派という派閥まで出来た。


いつも気付けば私は先輩を見ているけれど、先輩は気づいてるのかな…
でも、正直言ってこれがなんていう気持ちかが分からない。

先輩の笑顔を見るたびに胸がポカポカして、

先輩の声を聞くたびに心臓がドキドキして、

先輩と目があうと顔が熱くなって、

先輩と同じ景色を見ているということが嬉しい。

こんな気持ち。






…まさか、恋たるものか…?



イヤ、ないな、うん。


中1でいまだ初恋未体験だったりするから、

正直な話、なにが恋かという事も分からない。


でも、こんな私に深紅は

それでいいって言ってくれたから、それでいいって思ってるのが今のところ。


まぁ、これが恋だとしても

叶うことも

報われることも

両想いになることも

絶対にないんだろうなぁ。
< 6 / 28 >

この作品をシェア

pagetop