先輩と後輩の私。
「沙弥!部活行こ!」

「うん、すぐ行くー!」








「こんにちわー!!」

あれほど恥ずかしい思い出があるあいさつにも、すっかり慣れて、

弓道場の空気や、ルールにも
慣れてきた、6月のある日。



練習内容といえばほとんど筋トレだったけど、初めての部活ということで

それなりに楽しく部活をしていた。


「鈴ー、鈴は先輩だれ派??」

「何、急に…」

腹筋をしている私に新しく仲良くなった御門祥子(ミカド ショウコ)が聞いてきた。


「んー、わかんないなぁ、祥子は?」

「うち?うちはぁー篠咲先輩かなぁ~」

「え、女子じゃん!」

「だってぇ、あの先輩の弓引いてるときの目とかやばいんだって!」

「へぇ…」

「ほんと鼻血もんだから!!」

「ちょ、祥子、興奮しすぎだから…」

「えへっ」

「ハァ…」


 

そのあと祥子に「草村先輩派は、今のとこ一人だけだからチャンスだよ」

といわれたけど、何がチャンスなのか分からなかった私は「どーも」とだけ言っておいた。



一通り筋トレが終わったあと、私達中学1年生13人は道場に集められた。


「何あるのかなー?」

「さぁ…」




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