魔法がとけるまで
私は地味子
「…ウザイんよね~。どうやって断ろう?」



「『またこちらから連絡します』って言って、シカトするのがええんちゃう?」



ここは、職場の女子トイレ。お昼休みに歯磨きをしていると、同じ職場の別の課の後輩が2人、そんな会話をしながら入ってきた。



おおっ、怖っ…。
私は、急いで口を濯ぐと慌ててトイレをあとにした。



「良かったらどうぞ」



デスクに戻ると、同じ課の後輩である、川崎亜衣が、ガムをくれた。



「新製品!コンビニで見つけたんです」



ニコッと笑うとえくぼができる、可愛らしい子。この笑顔を見ると、さっきの『かわいいフリした怖い子たち』が同じ課の後輩じゃなくて良かった…と思う。



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