魔法がとけるまで
「どうぞ」



「おじゃまします」



座間さんがコートを脱いで、ちょこんとテーブルの脇に座った。私は、買ったものを冷蔵庫にしまうと、テーブルにサンドイッチを並べた。



「どうぞ、ご遠慮なく」


「いただきます…」



「記憶は、そのうち戻りますよ…。今は、とりあえず…私に甘えて下さい…ね?」



「…甘えて…いいんですかね…」



座間さんは、サンドイッチに手を伸ばし、軽く会釈をしてから食べ始めた。



「美味しい…へへっ…」


なぜか照れ笑いを浮かべる座間さん。イケメンは照れ笑いも、素敵。私のキュンキュンが止まらない…。



「…へへっ…」



私もつられて笑顔になった。



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