魔法がとけるまで
「せめてガラケーくらい持っておけばいいのに」


座間さんは俯くと、フッと笑った。もう笑うしかない…という感じか…。ヒモ…なんて言うんやなかったな…。



「競馬、好きなんですね…」



競馬新聞を手に取る。座間さんがギャンブルするなんて…イメージが違うな…。



「競馬…。そうや!ええこと思いついた!」



座間さんがさっきとは違う笑顔を見せた。



「明日、競馬場に行ってみませんか?何か、思い出すかもしれへん!」



「競馬場?」



「オレを知ってる人がいてるかもしれん!」



競馬場…なんか怖いイメージあるけれど…。



「…そうですね。わかりました…」



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