魔法がとけるまで
小さなテーブルで2人鍋…ああ、なんて幸せ!



寂しくない…って思ってたけれど、やっぱり私、寂しかったんやわ。



「美味しい」



ふぅふぅしながら、美味しそうに食べる。いつもは、他の誰かと囲んでいる鍋を、私と…。



私の嘘のせいで、座間さんは束縛されている。



本来は、他の誰かに見せる笑顔を、私に…。



「熱いと、鼻水出ますよね?」



鼻をすすった私に、座間さんはティッシュを渡した。その優しさにこらえきれなくなった。



「ごめんなさい…」



「えっ!?なんで…?」



座間さんが涙をこぼす私を見て、驚いた表情を見せた。



「竜二さんが…本来いるべき場所は…ここやないです…」



今すぐ本当のことを話して、謝ろう…そう決めた。



< 24 / 80 >

この作品をシェア

pagetop